長岡弘樹 著 PHP研究所【幕間(まくあい)のモノローグ 】感想・レビュー【短編ミステリ】

幕間(まくあい)のモノローグ【あらすじ】

ドラマや映画、舞台、そしてアクターズスクールの講師まで、幅広く活躍しているベテラン俳優の「南雲草介」

彼の現場の「幕間」で、若手の俳優からの相談、それと、さまざまな事件やトラブルが起こる。

「辞めたい」と言う若手俳優人に自信を取り戻させた練習方法。

「斬られ役」の俳優が、カメラに背を向けて倒れた理由。

「NGを連発する」俳優に隠された真実とは。

俳優のマネージャーが「わざと」自動車事故に遭ったのは何故か。

スーツアクターの撮影現場で起きた事件の「犯人に疑われている」俳優。

「犯罪を犯している」かもしれないベテラン女優の付き人が取った行動とは。

脚本家に「下手だ」と思われていた俳優を、なぜ主役に抜擢したのか。

鮮やかに解決する南雲。彼にはなぜ真実が見えたのか。

そこにはある秘密が隠されていた････

幕間(まくあい)のモノローグ【感想・レビュー】

長岡弘樹

長岡さんの作品といえば『教場』が思い浮かぶ。

木村拓哉さん主演でドラマ化もされている代表作だろう。

残念ながら教場は原作もドラマも見ていないが、最近出された「緋色の残響」と「つながりません　スクリプター事件File」に続き、3冊目の読了となる。

短編ミステリの名手と呼び声高い長岡弘樹作品。

自分が読んだ2作品もそうだったが、本作も連作短編ミステリで、長岡さんの色がしっかり出ていて面白かった。

感想・レビュー

各章に出てくる、俳優達が南雲が講師をしているアクターズスクールの出身者となっている。

その俳優達が何度か出てくるが、彼らの成長や苦悩している姿を追うのも面白いかもしれない。

南雲の解決の仕方が、どれも、ふわっとした終わり方なので、綺麗な解決のミステリが好きな方は物足りないかもしれない。

各章の話は、どれも雰囲気の違った話なので、飽きずサクサクと進んで、その中にもちょっと読み返したくなる伏線もあったりと面白かった。

章の合間の「一拍遅れのプロローグ」や「一拍早いエピローグ」と、ちょっとした遊び心も飽きさせないポイントかもしれない。

ていうか、このままテレビドラマで観たいと思った。

映像化したら、かっこよく、長身でダンディなベテラン俳優の南雲役は「阿部寛」さんが似合いそう(ちょっと濃すぎるか？)

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