知念実希人 著 角川書店【傷痕のメッセージ】感想・レビュー【医療ミステリ】

傷痕のメッセージ【あらすじ】

「血が繋がっていても親子とは限らない」

「水城千早」が父、穣(みのる)から聞いた最後の言葉となった････

癌で死んだ父の遺言は「死んだらすぐに解剖してほしい」と不可解な物だった。

1年間の研修の為、配属になった病理医の同僚で友人となる「刀弥紫織」の説得で、一緒に解剖する事になる。

そこで見たものは、胃の内側に刻まれた暗号だった････

謎めいた暗号が見つかった解剖後、千早の元に「桜井」と言う刑事が訪れた事により、父が28年前に捜査一課の刑事だった事を初めて知り、そして連続殺人犯を追う為に警察を辞めたと言う事だった。

千早と紫織は協力して、胃に刻まれた暗号を読み解こうとすると、時を同じくして28年前の事件と酷似した殺人事件が再び発生する。

現在と過去で絡み合う謎を、千早と紫織の医師コンビと、刑事の桜井が解き明かす。

知念実希人がおくる、息を呑む展開と感動のラスト。

医療×警察ミステリが始まる。

傷痕のメッセージ【感想・レビュー】

まずはすごく良かった。

ちょうど知念実希人さんの作品で「天久鷹央シリーズ」そして「祈りのカルテ」を読了した後だったので余計に話に入っていきやすかったのもあるが、両作品にも出てくる純正会病院の医師「千早」と友人となった病理医の「紫織」、そしてシリーズにもたびたび登場した刑事の「桜井」コンビとなり、それぞれの視点で謎に迫っていく。

紫織は病理医として千早の父が残した暗号をすくい上げ、桜井は28年前の連続殺人事件に決着をつける。

千早は父の過去、そして千早への本当の想いを知ることになる。

考察は半分は当たっていたが、犯人は最後の方まで解らずドキドキしながら読んでいた。

小冊子も数ページだが前の2作品とのスピンオフなので楽しめた。

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