知念実希人 著 新潮社【久遠の檻 -天久鷹央の事件カルテ-】感想・レビュー

久遠の檻 -天久鷹央の事件カルテ-【あらすじ】

かつてアイドルとして芸能活動をしていた少女「楯石希津奈」

15年以上の時を経て天医界総合病院の精神科に再び運び込まれた姿。

それは、彼女が美しいままのかつてとまったく同じ容姿で現れたのだった。

驚いた精神科部長の隅田純子は、統括診断部の「天久鷹央」に診察を依頼する。

だが、検査をしようとした矢先、父親が現れ希津奈は連れ去られてしまう････

そんな中、工事現場からミイラ化した男性の遺体が発見され、刑事の「桜井」と「成瀬」が殺人事件として動いていた。

不老不死の謎････

自殺からの復活････

相次ぐ不可思議な現象に「天久鷹央」と「小鳥遊優」に「鴻ノ池舞」が加わった、統括診断部が立ち向かう。

現役医師が描く、シリーズ累計170万部の長編医療ミステリの最新作が始まる。

天久鷹央シリーズ

このシリーズは知念実希人さんの代表的な作品。

「推理カルテシリーズ」と「事件カルテシリーズ」含めて11作品出されている。

最初の数作品の「推理カルテシリーズ」は不可解な病症や現象に、天才的な頭脳を持つ「天久鷹央」が診断を付けたり、謎を解明していく、人があまり死なない、連作短編ミステリ。

その医学的な謎に殺人事件が絡み、警察も一緒になって犯人を追い詰めていく長編ミステリが「事件カルテシリーズ」となってる。

自分も知念さんの作品の中でも大好きなシリーズで、今までのシリーズ作品は読破。

ちょっとした出版社とのトラブルもあった様でしたが、本作が待望の最新作となっている。

久遠の檻 -天久鷹央の事件カルテ-【ネタバレなし感想・レビュー】

今回の作品は殺人事件の犯人を探す事よりも、現実的にはありえない不可解な現象の解明がメインとなっている。

なので、医学に無知な読者だったら、まず推理や考察するのは難しい真相になっている。

15年間年も取らず、自殺しても復活した不老不死少女の謎は特にビックリ。

本当に実際可能な医学なのか疑いたくなる様な真実の連続だった。

ちょっと読者が想像しにくい、大掛かりな物理的トリックも注目の１つ。

しかし、この難しい話の中でも、知念さんの読者をどんどん引っ張っていく文章力は流石。

しかも、シリーズならではの内容も健在。

「鷹央」と「小鳥遊」のタカタカペアに研修医の「鴻ノ池」が加わりさらにパワーアップ。

天才的な頭脳を持つ「鷹央」と、前々作辺りからチート的に有能なキャラと化した「鴻ノ池」

この2人から、もうイジられキャラと化した「小鳥遊」との絡みがまた面白い。

刑事もシリーズに何度も出てくる「桜井」と「成瀬」がコンビで登場。

刑事の桜井は、知念さんの違う作品、今年出された『傷跡のメッセージ』でもメインの刑事して登場。

【傷跡のメッセージ】感想レビューはこちら

まさに、シリーズオールキャストの感じで謎を解明していくのが見どころです。

久遠の檻 -天久鷹央の事件カルテ-【ちょっとネタバレ】

そして、毎回言っているが、本当に筆が早い知念実希人さん。

次回作の発売も決まっている様なので、そちらも楽しみに待っていたいと思う。

巻を追う毎にパワーアップしている「天久鷹央シリーズ」最新作、大変面白かったです。

久遠の檻 -天久鷹央の事件カルテ-【みんなのつぶやき・感想】

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