浅倉秋成 著 角川書店【六人の嘘つきな大学生】感想・レビュー【殺人のないミステリ】

『教室が、ひとりになるまで』でミステリ界の話題をさらった浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。

出来ればこの作品は、前情報なしで読んで欲しい青春ミステリーです。

浅倉秋成 六人の嘘つきな大学生【あらすじ】

著しい企業「スピラリンクス」の新卒採用試験。

最終選考に残った六人の就活生の中の1人「波多野省吾」の視点で話は進む。

メンバー全員で内定しようと最終試験までグループでディスカションしてきたメンバーに突如いい渡された試験内容は、「内定者一人をメンバー六人で決める」という残酷な物だった。

仲間だった六人から、一つの席を奪い合うライバルとなった。

内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。

個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文がはいっていた。

次々と空けられていく封筒でわかった事。

それは、ここにいる全員、とんでもないクズだという事。

「犯人」が死んだ時････彼ら六人の嘘と罪、そして全ての動機が明かされていく。

【主な登場人物】

波多野省吾

嶌衣織

九賀蒼太

袴田亮

八代つばさ

森久保公彦

以上六人が最終試験メンバー

浅倉秋成 六人の嘘つきな大学生【ネタバレなし感想・レビュー】

浅倉秋成さんの作品は『教室が、ひとりになるまで』に続き2冊目。

個人的にはすごく楽しめた作品。

楽しめたとい言うより考えさせられた作品だった。

六人の就活生の残酷で異常な空間となった最終試験。

作中で「相手の本質を見抜く事は100%不可能」とある。

ほとんど人は何かしらの罪を犯して生活している。

しかしその「本質」は一部の人、もしくは自分自身しかわからない事が多い。

そして仕事や職場、プライベートなどで人はその状況、場面で演じ分け対応して他人に印象を残していく。

それは家族前でさえもそうだと思う。

その時々の全てが自分であり、どれが「本質」なのかは他人には決められない。

この作品の中の六人も、最初、中盤、最後で印象が全く変わっている。

その伏線やトリックを楽しんで欲しい。

浅倉秋成 六人の嘘つきな大学生【みんなのつぶやき・感想】

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